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- お役立ちコラム
住宅を新築する際、どんなに耐震性の高い住宅を計画していたとしても、家を支える地盤が弱いと地震が起きた際に家が歪んでしまったり、揺れてしまったりすることがあります。
最悪の場合、液状化して沈み込んでしまう危険性もあるほどです。
そのようなことがないように、住宅を建てる前には地盤の調査を行って、必要であれば土地改良をしなければいけません。
地盤調査とよく似た言葉に「地質調査」がありますが、これは地域全体の地質や構造、土の種類を調べるものであり、建物を支える地盤の強度を調べる地盤調査とは目的が異なります。
2007年に住宅瑕疵担保履行法が施行されてからは、住宅施工会社は住宅瑕疵担保責任保険の申し込みが義務化され、地盤調査も必ず行われるようになりました。
日本の平均的な戸建住宅では、建物の四隅と中央の計5箇所の強度を調査する「スウェーデン式サウンディング試験」が一般的に行われています。
この試験では先端がスクリュー状になっている鉄の棒を地面に立て、その上に重りを乗せながら地面にねじ込んで、25cm貫入する重さを調べるというもの。
100kg乗せても貫入しなかった場合は、棒に備わっているハンドルを回転させて25cmまで達するまでに要した回転数を記録します。
この試験で得られたおもりの重さや回転数から地盤の強度N値を算出し、数字が大きければ大きいほど強度が高いことの証明となります。
一般的な戸建住宅であれば3以上が理想的と言われており、達していない場合は施工会社から土地改良を勧められる可能性が高いです。
では、実際に地盤改良工事が必要となった場合、一体どのような工事が行われるのでしょうか。
ここからは地盤改良時に行われる3つの工法を紹介します。
表層改良工法は2mほど土を掘った場所に固化材を入れ、土と強固剤を混ぜ合わせて地盤を強固にする方法です。
工期はわずか1~2日程度で済みます。
軟弱層と呼ばれる地盤の緩い土地を掘ってセメントを混ぜることで、強固な地盤が作られます。
床面積20坪あたりの相場は約50万円で、他の2つの工法と比較するとリーズナブル。
小型の重機でも対応できたり、地中にコンクリートや大きな石が混入したりしてもできる点もメリットです。
その一方、勾配が少なく、地下水位が地盤改良面よりも低い土地に適している表層改良工法は、勾配がきつい土地や地盤改良面よりも地下水位が高い土地には対応できないことがあるので、事前に確認するようにしましょう。
もしも表層改良工法を行うのが難しい地盤である場合、コンクリートの柱を何本も地中に注入して地盤を強固にする柱状改良工法もあります。
この工法は住宅を建築する敷地に碁盤の目のように直径60cmほどの穴をあけ、そこに規則正しく柱を注入し、建物を支える形状を作るというもの。
一戸建ての場合は4mほど打ち込んで改良が終了することが多いようですが、短ければ2m、長いと8mほど掘ることも。
地震の際に数十本の柱と土が摩擦を起こすことで柱が注入された土が一体化し、家の揺れを抑えられます。
また、地球を掘る家庭で水を混ぜたセメントを土で混ぜて攪拌してあげると、より硬い地盤を築くことができるのです。
柱状改良工法は戸建住宅以外にもビルやマンションなど大型の建物で多く用いられる方法で、大きな建物の場合は柱を支持層まで打ち込んで、より強固な地盤を作ります。
そのため、工期は2~3日目と表層改良工法に比べるとやや長く、打ち込む柱の数によってはさらに長期化することがあります。
床面積20坪程度の土地で戸建住宅の地盤作りをする時には、50本以上の柱を使って約4m打ち込みます。
この場合の費用の相場は約100万円で、柱を深く打ち込めば打ち込むほど費用も高くなります。
表層改良工法と比較すればやや高額であるものの比較的リーズナブルで、住宅の地盤改良工法としては多くの現場で採用されています。
強固な地盤がなくても施工できる点もメリットです。
しかし、特定の地盤ではセメントが固まらず、固化不良を発生させることがあります。
施工後は地盤の現状復帰が難しい点もデメリットで、将来的に土地を売ることになった場合、地下が下落してしまうことも。
改良体撤去にはかなりの費用がかかるため、工法を工夫しなければなりません。
小口径鋼管杭工法の基本的な手順は柱状改良工法とほぼ同じですが、唯一異なるのは柱に使うのがコンクリートではなく鋼管であるという点。
しかし、他の工法に比べると施工後の地盤強度が高く、3階建てなどの重量のある建物に適しています。
柱状改良工法よりも小さい重機で対応できる点もメリットのひとつで、工期はわずか1~2日程度です。
一方この工法は支持層がなければ施工できず、工事中は大きな騒音や振動が発生しますので、この工法を選択するときには、必ず事前に近所への挨拶を済ませておくようにしましょう。
圧密沈下の大きい場所では建物は沈下せず、周囲の地盤が下がって杭の抜け上がりが起こる可能性もあるので、よく検討しましょう。
セメントに比べて材料のコストが高くつくため、費用も他のふたつの工法に比べると高額になりがちです。
地盤改良工事の種類についてご理解いただいたところで、ここからは実際に地盤改良工事が必要となる土地について説明していきます。
地盤改良工事の必要性の有無は、主に地盤調査の結果と建築予定の土地の周辺に関する情報を見て、総合的に地盤改良工事は必要かどうか、判定が下されます。
具体的に言うと地面が建物を支える強さを示す地耐力が20から30KN/㎡以下で、軟弱地盤と判断された場合や、敷地とその周辺が埋め立て地や盛り土で造成された土地は要注意。
過去に陥没があった土地や、液状化や不同沈下の可能性がある土地も、地盤強化が必要と判断されることが多いと言われています。
昔から一般的に田んぼや沼、川や池など、水場である土地は地盤が低い特徴があり、反対に寺社仏閣が昔からある土地は地盤も強固な傾向があります。
気になる方は国土地理院が発行している「国土変遷アーカイブ空中写真閲覧」に目を通して、土地の昔の姿を確認してみてはいかがでしょうか。
ここからは地盤改良工事が必要となることが多い立地別に、工事費用の相場を紹介していきます。
相場を把握することで、業者の言い値での工事契約を避けられます。
田んぼは水が集まっているだけではなく、 雨水を集めるために低地に作られる傾向があります。
そのため、どうしても地盤が脆弱になりやすく、地盤改良工事が必要になりやすいのです。
また、家を建てるときには盛り土工事をして大量の土を盛り込むことになるため、一般的な住宅地に比べて費用がかさみます。
地盤改良工事に係る費用ですが、地下の強い地盤=支持層が深く関係してきます。
支持層が浅く、5m前後であれば比較的割安で、30坪程度の二階建て住宅でも60~100万円程度で済む可能性が高いです。
支持層が10m程度の深さになると割高になってきて、100~150万程度請求されることがあります。
工場跡地である場合、一度土地を掘り起こし「盛り土」を行うことがあります。
こうなると地盤が弱くなり、地盤調査が必要になることも。
盛り土している土地は上載荷重のために圧密沈下を起こす危険性があり、柱状改良工法や小口径鋼管杭工法でなければ対応できないこともあります。
表層改良工法よりも高額になることが多い柱状改良工法や小口径鋼管杭工法では、一般住宅に約150万円前後の費用が発生することも珍しくありません。
地盤調査後に「地盤工事が必要」と言い伝えられると、ついそのまま聞き入れてしまいますが、実は業者が行った地盤調査の結果は必ずしも正しいとは言い切れません。
調査会社のなかには、本当は地盤改良工事が必要ないのに、「必要」と判断してしまう業者も少なくないのです。
これは決して工事を請け負いたいがために、業者が不当な判定を出しているわけではありません。
前章で紹介したとおり、日本の住宅の地盤調査に用いられることが多いスウェーデン式サウンディング試験は解析基準が未だ確立されておらず、地盤調査会社はより高い安全性を確保するために過剰な工事を勧めてしまうことがあるのです。
地盤調査は専門的な部分が多く、ハウスメーカーも施工主も、地盤調査会社の結果通りに動いてしまうことが多いものですが、工事にかかる費用は決して安くはありません。
そのため地盤調査会社の判断に疑問を覚える方は、他の調査会社に依頼する、いわゆる「地盤セカンドオピニオン」を行って、第三者からの意見を求めるようにしてください。
両者の結果を確認してから、最終的な判断を下すと良いでしょう。
地盤改良工事の費用が高ければ予算オーバーになり、その分建物の予算を削ることになってしまうと残念ですよね。
このような事態を防ぐためにも、地盤セカンドオピニオンをおすすめします。
地盤が弱い土地に住宅を建てるときには、地盤改良工事が必要になります。
業者に任せておけば調査や工事が自動的に進められますが、あまりに業者の言いなりになってしまうと不当な判断をされてしまうことも。
そのようなことがないように、地盤調査会社や施工会社は信頼できる業者に頼むようにしましょう。
石川県金沢市に本社を構える株式会社さくらでは、分譲住宅の販売から注文住宅の設計・施工までを行っておりますが、全ての段階で信頼できる業者と提携し、最適なプランを提案しています。
これから注文住宅の建築を考えている方は、ぜひ一度さくらまでご相談ください。
建築プランや工事の内容をご案内させていただきます。
地盤調査会社、工事業者の仲介も行っていて、スムーズな手配が可能です。
何かと煩雑な各種工程を一本化することで、完成までのスケジュールも立てやすくなります。