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- お役立ちコラム
「自分のお店を持ちたい」と大きな夢を持っている人にとって、自宅の敷地内で店舗営業ができたらと考えるケースも多いかと思います。
カフェやレストランのような飲食店から美容院、ネイルサロン、ベーカリーまで、店舗兼住宅で開業できる事業の形態に決まりはありません。
自宅にいながら安心して、効率よく時間を使える点や家賃の費用も効果的に削減できるため、メリットの多い店舗スタイルだといえるでしょう。
今回は、店舗兼住宅を実現させるために抑えておくべき法的なルールや注意点ついて詳しく解説します。
店舗のみの場合、店舗兼住宅、そして一般的な住宅を新築する際、完成に至るまでの流れに大きな違いはありません。
ただし、店舗兼住宅の場合、店舗と住居の広さの配分や使い勝手は、設計段階から十分な検討が大切です。
たとえば、駐車スペースや玄関を共有にするかどうかや、水回りを店舗と住宅両方に設置するかなどです。
また、大前提として 立地予定の土地の用途地域を事前に必ず確認するようにしましょう。
特に、第1種低層住居専用地域や第2種低層住居専用地域の場合、建てられる面積が制限されるケースがあります。
店舗兼住宅は、通勤時間や交通費の無駄をなくすメリットや、プライベートと仕事の両立がしやすいメリットがあります。
ここからは、おしゃれな店舗兼住宅を建てる際、抑えておくべきポイントをみていきましょう。
仕事とプライベートを両立させることを「ワーク・ライフ・バランス」といい、プライベートが充実すると、仕事に対する意欲も向上すると考えられています。
居住スペースと店舗スペースをしっかり切り離すことで、オンとオフのスイッチを切り替えやすく、仕事にも取り組みやすくなるでしょう。
プライバシーの確保が必要な業態の場合、仕事用とプライベート用のふたつの玄関を設置する形が理想的ですね。
店舗の立地が駅から遠い場合や郊外にある場合、駐車場のスペースを確保しておくと、集客力につながるかもしれません。
店舗は1階に配置するのがベストと考えられます。
2階以上に店舗を設置すると、道路から認識しにくいめ、集客力が落ちやすくなりがちです。
さらに、外側から店内の様子を確認できる大きな窓を設けると、店内の雰囲気や混み具合が一目でわかり、入店しやすくなりますね。
利用客に使いやすい店舗設計にしましょう。
例えば、面積に余裕があれば、店内のトイレは客用とスタッフ用ふたつ設けたり、車椅子のままでも入れるようトイレのスペースを広めに取ったりしておくと親切ですね。
車椅子やベビーカーの利用者、高齢者にとって入店が困難にならないようスロープや手すりを設置し、バリアフリー設計を意識しましょう。
ここからは、自分の持っている土地や購入したい土地に店舗兼住宅を建てるため、知っておくべきポイントと注意点について詳しく解説します。
店舗と住宅が一体となった建物には、店舗と居住空間との行き来ができるか、できないかで、呼称の異なるふたつのタイプがあります。
店舗と住宅の行き来が可能な住宅を「店舗兼用住宅」といい、店舗と住宅の行き来ができない住宅を「店舗併用住宅」と呼びます。
便利な店舗兼住宅を建てて、開業できれば最高ですが、そのためにまず建物を建てる土地が必要です。
しかし、店舗兼住宅を建築するときは建築基準法による規制がかかります。
そのため、どの土地でも自由に建てられるわけではありません。
「準工業地域」「工業地域」「工業専用地域」など工業系の用途地域では、店舗併用住宅の建築ができません。
「第1種低層住居専用地域」と「第2種低層住居専用地域」に指定されている地域は規制がかかるケースがあります。
また、住民たちが、地区計画や建築協定等で店舗禁止の街づくりルールが定めていると、店舗兼住宅を建てられない場合もでてきます。
土地には、どこにどのような建物を建てて良いかを決める、用途地域という制限がかかっています。
用途地域とは、計画的な市街地を形成するために、用途に応じて13地域に分けられたエリアのことを指します。
13地域は、住居、商業、工業等の用途を適正に配分して、住居の環境を保護し、商工業の利便を増進するために定められているのです。
住居地域では、住居が集まる地域としての景観を崩さないため細かい規定があり、地区計画や建築協定と呼ばれる規制によって、店舗の建築が制限されているエリアもあります。
店舗に関しては、建築可能なエリアと店舗面積が決まっています。
用途地域の調べ方は、国税庁のWebサイトで確認するか、土地の住所地を管轄している地方自治体に問い合わせをしましょう。
住宅を建てられる第一種低層住居専用地域は、原則として店舗は建てられないため、注意が必要です。
特例として、第一種低層住居専用地域内で店舗兼住宅を建てる場合、店舗の床面積は、50㎡以下かつ建築物の延べ面積の2分の1未満、機械の出力が0.75kw以下であるというルールが定められています。
また、店舗と自宅が内部で行き来できる点が設計の条件で、区画が区分されていないため、賃貸経営を行えないといった注意点があります。
一般的に、30坪程度の飲食店や美容室が多いため、約15坪と考えた場合、かなり小さな店舗といえます。
その場合、店舗のレイアウトのほか、座席数、商品棚の確保、販売方法を含めて検討が必要でしょう。
店舗の用途に関しても細かな決まりがあるため、まず第一種低層住居専用地域以外のエリアで、店舗と住宅の両方を問題なく実現できる土地を探したほうがよいかもしれません。
第一種低層住居専用地域以外の用途地域では、店舗の要件が緩和されます。
第二種低層住居専用地域では、2階以下かつ床面積が150㎡、厨房の機械出力が0.75kw以下という要件を満たせば、店舗兼住宅を建てられます。
また、第一種中高層住居専用地域では、500㎡以内の店舗や飲食店の建築が可能になり、本格的な店舗を建てられます。
これから土地を探す予定の人は、用途地域と店舗の可能な面積を確認したうえで、購入を検討しましょう。
店舗兼住宅で住宅ローンが組める金融機関は多くはありませんが、一部の銀行が実施しています。
店舗兼住宅で住宅ローンを借りられる要件は、店舗部分を除く居住部分の床面積が、建物全体の床面積の2分の1以上であり、店舗部分が自己の使用である点です。
長期の住宅ローンである「フラット35」を利用し、費用負担を抑えながら店舗併用住宅を建てたい場合は、設計の段階から対策を考えておきましょう。
住宅ローンを金融機関へ申し込む際は、住居部分は住宅ローンとして、店舗部分は事業資金として融資の申請を行ってください。
ただし、条件が整っていても、法律で店舗の建築が制限されている場合や、周囲の住宅に迷惑がかかる環境では問題です。
立地面で問題にならない店舗兼住宅を建てましょう。
住宅ローンを組める一定の要件は以下のとおりです。
・建物全体において、居住部分の床面積が2分の1以上である
・店舗部分は自己の使用である
住宅ローン控除(返済期間が10年以上のローンを組んで住宅を購入し、住む年から一定の期間に渡り、所定の額が所得税から控除される)を受けられる要件は以下のとおりです。
・住宅を取得し、2009年1月1日から2021年12月31日までに自己居住する
・工事完了の日または取得の日から6か月以内に、自己居住する
・床面積が50㎡以上である
・居住用と店舗部分があるときは、床面積の2分の1以上が居住用である
→この場合、居住用の部分のみが控除の対象です。
店舗兼住宅では、店舗経営を行う上で必要となる水道や光熱費、通信費、火災保険料を住宅用と按分した額を経費として計上できます。
店舗にかかるローン元本は経費に含めませんが、ローンの利息部分は経費に含められます。
さらに、その建物や設備に対する減価償却費や固定資産税も事業にかかる割合に応じて経費として計上可能です。
日本の土地には都市計画に基づく用途地域が定められています。
そのため、店舗兼住宅を建てて開業する場合には、用途地域や地区計画の細かい規制や条件など、専門的な知識が必要です。
特殊な家づくりとなる店舗兼住宅こそ、知識や実績のある信頼できる施工業者への依頼が重要です。
店舗併用住宅のメリットを最大限に活かした満足な家づくりは、大切なプライベート空間と快適な仕事時間をスマートにつなげてくれるはずです。
不動産全般を取り扱っている株式会社さくらでは、土地の活用方法から、店舗兼住宅の設計にいたるまで幅広くご提案が可能です。過去に店舗兼住宅のご依頼をいただいた実績も多数ございます。
店舗は業態によって、ショーケースやカウンター、調理場、倉庫といった住宅とは違う知識が必要なため、詳しく調べたうえで設計いたします。
ぜひご一緒に、夢と理想がつまった店舗兼住宅を建てましょう。
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